指の関節を過剰に引っ張ったり、曲げたりすると“バキッ”とか“ポキッ”という音がすることがあります。
関節内は滑液(かつえき:関節軟骨に栄養を与え関節の運動を滑らかにする液体)という液体で満たされています。
この液体の中で気泡がはじける音がその正体で、この現象を“キャビテーション”といいます。
キャビテーションとは?簡単に説明すると、「圧力を低くすると、水の沸点が下がり、室温でも水を沸騰させることができる現象」です。
分かりにくいかな〜?
では、イメージしやすい方の例えです。
「富士山の山頂(気圧が低い)では、水の沸点が100℃より下がる」
どうでしょうか?
キャビテーションは身近な物を使っても体験することができます。
庭の水まきで、遠くに水をまくためにホースをギュッと指さきでつまむと、つまんだ所で泡が立っているのを見たことがあるはずです。
あれは水が沸騰している泡なのです。
関節を引っ張ったり、曲げることで関節内に圧力の低下を起こし同様の現象を起こしています。
またこの気泡は、消滅する際に非常に大きなエネルギーを発生させ、まわりの物体にダメージを与えます。
結石療法では、超音波を当て意図的にこの現象を起こし結石を削り取っています。
日常的に関節を鳴らしていると、上記のことと同様なことが関節内に発生します。
関節軟骨を傷つける原因になりますので、クセになっている人は注意してください。
【参考文献:石綿良三/根元光正著 「流れのふしぎ」講談社】
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